チェーンドラッグストアから小規模調剤へ 30代男性の決断
薬剤師の転職事例
2021/05/16
――まずは自己紹介と、簡単な職務経歴を教えて下さい。
東京都在住、Y(男)37歳です。
都内近郊に百数十店舗規模(調剤併設40店舗)のチェーンドラッグストアに新卒で就職し、主に調剤業務を主として務め、管理薬剤師も経験しました。
10年の節目で西東京市にある調剤薬局に転職しました。
――転職しようと思ったきっかけは?
チェーンドラッグストアに限らず、多店舗経営の調剤薬局には異動がつきものです。
実際、私も10年間で6店舗での調剤業務を経験しました。
多くの店舗を経験することで、色々な処方箋を見ることができ、勉強になりましたし、業務におけるマンネリ化も防げたと思います。
しかし、せっかく地域の人々や他職種の方々とつながりを持てても、異動に伴い関係性がリセットされてしまいます。
自分は薬剤師として地域の方々や、他職種の方々とより深く、より長い関係性を築きたいと思い、個人経営の調剤薬局へと転職を決断しました。
――どのように転職先を見つけましたか?
薬剤師会の学術委員を務めており、そこで知り合った先生方にお声がけしました。
――転職時に工夫したことは?
薬剤師会で知り合った先生方は経営者が多く、転職する際は、転職サイトを利用するよりは自身で売り込みにいった方がいいというお話を聞いたことがありました。(転職サイトを使用しない分、紹介料が浮くのでその分待遇がよくなる可能性があるとの事)
転職サイトは使用せず、自身で募集しているところを探しました。
――逆に、転職時に苦労した・失敗したことは?
薬剤師会で得た繋がりで職場を見つけることができたので、転職活動に関して実際苦労はありませんでした。
失敗という訳ではありませんが、転職活動は良くも悪くも自身の市場価値がわかる場でもあるので、新卒からずっと同じ会社でしか経験していない自分の価値、評価がどれほどのものなのかを、他の会社さんからも得てみたかったな、とは思います。
――街の薬局で働いてみて、率直な感想は?
管理薬剤師と患者さんの間で、地域の方々を長年見てきているからこその信頼関係、頼られている感じが見られ、自分の求めている将来像が見られたのは嬉しかったですし、自身もそうなりたいと思いました。
一方、大手に比べ、個人経営なだけあって組織構造や調剤マニュアルやルールなどが曖昧になってしまっている部分があったりするので、自身の経験をもとにマニュアル構築等改善をしていきたいと思っています。
逆に、大手と違い、採用薬や在庫、備品などよりシビアに管理がされている部分もあるので、金銭面に関してはより真剣に向き合う事が自分に欠けている部分ではあったな、と感じましたし、勉強していく面でもあると思いました。
――これから転職を考えている方へ、アドバイスをお願いします。
転職が頭によぎったということは、現状の環境や自分に何かしらの不満を抱えているということです。
自身が仕事や会社に何を求めているのか、薬剤師としてどのようになりたいのかを見つめ直す良い機会かと思います。
現実と理想とを見つめ直した上で、現在の環境では理想との距離が遠かったり、実現が困難な場合は迷わず転職した方がいいかと思います。
ただ漠然と転職をするよりは、自身としっかりと向き合って転職活動を行った方が、自分が求める職場に出会える確率も高くなりますし、転職を失敗と感じる事も少ないと思います。
転職は自身の価値を確認できる場でもありますので、色々な会社をまわってみて、待遇や年収から薬剤師としての評価を確認してみるのも良いかもしれません。
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