家庭と仕事両立の奮闘記!病院薬剤師〜出産・育児〜調剤薬局開業まで

ママ薬剤師

2021/08/21

ママ薬剤師の転職事例を紹介していくインタビュー企画、第二弾は「家庭と仕事両立の奮闘記!病院薬剤師〜出産・育児〜調剤薬局開業まで」です。現在は東京都品川区のひまわり薬局にてご活躍されている花井佳奈さんに、出産や子育てと病院勤務薬剤師の両立について、その心構えや実際の業務内容、ママ薬剤師の新規開業についてなど、お話を伺ってきました。


――ご略歴
○2009年3月 明治薬科大学大学院臨床薬学専攻博士課程(前期)卒業
(同月末に入籍)
○2009年4月 大学病院薬剤部勤務
(1年目で出産)
(4年目に2人目出産)
○2018年4月 同大学病院の系列病院 薬剤室副室長
○2018年9月 ひまわり薬局開業
 薬局Instagramアカウント:himawari_pharmacy


――簡単な自己紹介をお願い致します。

 主人と子供2人と4人で暮らしています。主人は同じ薬学部の同級生で、卒業後に私とは違う病院へ就職して、今も勤務しています。
 趣味は、アロマセラピー・料理・ダンスです。


――ご卒業後すぐにご結婚とご出産があったことは、大変だったのではないですか?

 1人目の出産は1年目で研修課程中。当時は今ほど女性の妊娠や出産を支援する風土がなかったので、色々と困難はありました。働きながら出産をして復職するのは、その薬剤部で私が第一号だったので、やはり冷たい視線や発言もありました。でもまあ私は気にしないほうなので(笑)。逆に、助けてくれた同僚もたくさんいました。ある先輩からは「キャリアなんていい、いつでもつめるから。出産育児は授かりもので、いつでもできるわけではないから」と背中を押してくれました。あとは同期にも助けられましたね。


――1年目の出産で、仕事への影響はありましたか?

 影響しないよう、努力しました。「子供がいるから」とか、「こんな子が来る(就職する)はずじゃなかった」などと言われたくなったので、その意地で頑張りました。
 つわりは少ない方だったので、出産直前まで欠席はゼロ。産前休暇は本当は4週間認められているのですが、研修スケジュールの関係もあり、出産予定日前15日しか取得しませんでした。産休は8週間取得しましたが、その後すぐ復職しました。もちろん休みの期間の遅れはあったと思いますが、その遅れを少しでも早く取り戻せるように一生懸命に働きました。4ヶ月後には、夜勤にも入りました。新人として経験するべきことは同期と同じようにしたかったので。でも、さすがに育児や家庭への影響が大きいので、しばらくして免除してもらいました。就業規則で、子供が小学校に上がるまでは免除可能なんです。


――1年目で勉強も大変だったと思いますが、工夫された点はありますか?

 通勤時間を利用して勉強していました。ガイドラインを読んだりとか。あとは当たり前のことなんですけど、知ったかぶりをせず、分からない事は分からないとして調べて、1つ1つの課題や疑問をしっかり解決していったことが重要だったと思います。その繰り返しで学びました。
 あと、出産する前は主人と一緒に外部の勉強会にもたくさん参加して勉強しました。今思うと、よくがむしゃらに頑張れていたなと思いますね。


――職場環境としては、育児しやすかったでしょうか?

 幸い職場に保育所があり、お昼休みに授乳しに行けたので、とても助かりました。値段はそこそこ高かったし、職員だから安いということはなかったですけどね(笑)。
 職場の同僚は当たり前ですがみんながみんなウェルカムな雰囲気ではなかったので、なるべく迷惑をかけないようにと気を遣いながら日々業務にあたっていたのも現実です。先ほども言いましたが、職場第一号の出産&産休取得者だったので。
 ただ、私が産んだ翌年から同様に出産する人が出てきて、10年間で十数人が出産しました。常に誰かしらは産休や育休をとっている状態。そうして少しずつ職場の空気も良くなっていきました。


――ご家族の子育て支援状況は?

 主人をはじめ、家族には助けてもらっていました。大学院卒業後すぐに結婚して、最初は私の実家で両親と一緒に生活して、家事は母がやってくれていました。母も薬剤師なのですが、出産後はパートになって子育てを手伝ってくれました。
 ただ、主人と母がお互いにキッチリ派でぶつかることも多く(笑)、産後少しして別々に住むことにしました。それでも近くに住んでいたので、色々と助けてもらっていましたね。


――子育てと病院勤務の、具体的な1日のスケジュール例を教えてください。




――子育てで大変だったことは?

 職場の保育所に預けている時は子供を抱っこして電車通勤していたので、そのときは通勤が大変でした。どうしても混雑時の通勤になるので、混雑した電車で子供が泣いたりすると大変で。。。途中からは地元の保育園に入れたので、その大変さは無くなりました。行きは主人が送ってくれて、帰りは私が迎えにいきました。


――4年目で2人目をご出産されるわけですが、1人目のご出産時との違いはありましたか?

 2人目は入職後4年目の出産でした。この時は8週間の産休と10ヶ月の育休を取りました。復帰時には地元の保育園に上の子と一緒に入れました。初めは時短勤務を申請していましたが、その頃は病棟配属で緊急入院の対応などがあり、結局そんなに早く帰れないので、1年ほどでフルタイム勤務に戻しました。15時すぎに緊急入院、持参薬対応などをしていると、早くに上がれるわけもなく。でも保育園のお迎えに行かなくてはいけなかったので遅くても30分残業では上がっていました。
 あとは、夜勤は引き続き免除でしたが、その頃は遅番(13時〜22時)という新たなシフトが月に1-2回あり、その時は家族に助けてもらってました。


――子育てしながら仕事をする上で、意識していたことはありますか?

 タイムマネジメントです。とにかく残業をしないようにしていました。その分、集中して仕事に取り組めていたと思います。
 上の子が小学校に上がる頃、9時出勤が定時のところ、定時を30分繰り上げてもらいました。18時15分までに学童に迎えにいかなければならなかったので、30分仕事を前倒しにしたという感じです。育児を理由に仕事をおざなりにせず、部内からの信頼を少しずつ得ていったのとともに、他職種のスタッフからも仕事を評価して頂いていたので、そういう提案もできたと思います。


――出産と同時に退職される方も多いと思いますが、考えなかったのでしょうか?

 考えませんでした。お世話になった人からも「1年就職を遅らせれば?」と言われましたが、「絶対嫌です」と答えました(笑)。せっかく就職できたので、仕事も頑張りたかった。今もそうですが、ずっと家に居るということが合わないんだと思います。育休の時も「暇だな」と思っていました(笑)


――8年間もの病院勤務経験後のご開業ですが、きっかけを教えてください。

 もともといつか開業したいと思っていました。母も薬剤師で、いつか一緒にやりたいなと思っていたんです。そんな中で、知人のクリニックから隣地での開業のお誘いがあり、決断しました。



――開業の相談をしたときのご家族の反応はいかがでしたか?

 経済的に明るい未来が待っている、と私も家族も思っていたので、反対はそこまで無かったです。心配はされていましたけどね。


――明るい未来は待っていましたか?(笑)

 コロナの影響もあったし、新規開業の難しさはとても感じました。私自身はやることをやっていれば何とかなると考えていましたが、主人からは現在進行形で心配されています(笑)。


――病院と調剤薬局のご経験がありますが、どのような違いを感じていますか?

 薬局で働いていて、「え、この薬を検査値がわからない中で投薬しなければいけないの?」ということはたくさんありますね。病院だと検査値は見られるので。
 患者さんに検査値を聞くと、「なんでそんなこと聞かれるの?」という患者さんは多いですよね。そこは「処方箋の薬を受け取る場所」というイメージを持たれているからであり、変えていきたいと思っています。
 あとは手技、知識面のレベルの違いは正直あると思います。臨床薬剤師のスキルを考えると、子供が薬剤師になるなら、まず病院で学ぶように言いますかね。


――薬局経営者のやりがいは?

 自分で意思決定できるのが本当に楽しい。薬局でネイルサロンをやりたいとか、相談ブースを作ろうとか。自分の描いたことをすぐ反映できる。


――経営者と家庭の両立はとても大変だと思うのですが?

 今は子供が学校から薬局に帰ってきています。そこで勉強したりしているから、子供としては良かったと思うし、本人も「今が一番いい」と言っています。「赤字黒字の話をしているときはイヤ」と言われたことはありますが(笑)。
 あとは、主人がオフのときは私も仕事のスイッチをオフにしていますね。基本的にメールチェックとかもしない。子供と3人の時は、子供ももう自分でやりたいことを勝手にやっているので、私も自分の仕事を片付けたりしています。家族全員の時間というのは共働きだとなかなか貴重なので、家族揃っているときは母業・主婦業メインでやっています。


――病院と薬局、そして経営者、子育てしやすいのはどれだと感じますか?

 難しいですね。ケースバイケースだと思います。
 病院は夜勤帯との交替制でもあるし、比較的自分の意識次第で時間のコントロールはできると思います。薬局を含め、患者さん次第で終わる時間が変わるところは大変だと思います。
 経済面でいうと、病院でも薬局でも、雇われているというのは安定しているのがメリットだと思います。経営者は、なかなか安定しないので(笑)。


――薬局では色々な取り組みをされていますね。今後の目標を教えてください。

 薬局のイメージを変えたい。
 処方箋をもっていって薬を受け取る場所、という固定観念を壊したいんです。一番身近な医療人である薬剤師がいて安心できる場所、にしたい。それが「ひまわり広場」です。処方箋がなくても気軽に寄れる街の健康ステーション。その一角に薬局があるというイメージですね。
 だから多くの人に立ち寄ってもらえるよう、色々な取り組みをやっていきたいと思っています。ネイリストさんにきてもらって個室でネイルをやったり、あとは私がAEAJアロマテラピーアドバイザー・アロマハンドセラピストを取得しており、アロマセラピーのアプローチもやっています。薬局もいい香りがしていますよ。



――これから就職や転職、出産を控えている薬剤師・薬学生へメッセージをお願いします。

 結婚とか出産を理由にやりたいことを諦めない方が良いと思います。両立は大変だし、いろいろな人に迷惑をかけてしまうかもしれないけど、できる!為せば成る!!努力すれば最終的にはうまくいくと信じて(笑)。頑張ってください。

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